結論
英語学習の時間は、単なるスキル習得だけでなく、管理職が部下との関係をより良くする「安心できる対話の場」として機能する可能性があります。
重要な点は、英語学習に遊びの要素を取り入れるという事。それにより、日々のプレッシャーが英語学習の場で得られるリラックス効果と、上司と部下の距離が縮まる体験によって軽減され、職場における心理的安全性が向上します
理由
管理職の多くは「成果を出す」「目標を達成する」というプレッシャーから、部下に対して厳しいやりとりに偏りがちです。
しかし、近年の調査では 心理的安全性が高い職場ほどチームの生産性が向上する ことが示されています。つまり、部下が安心して発言できる場を作ることは組織の成果に直結します。
英語学習のように、業務に直結しつつも「ちょっとした非日常業務」を共有できる取り組みは、部下との距離を自然に縮め、心理的安全性を高める効果が期待できるのです。
背景
私の部署では頻度は決して高くないものの、英語でのメールのやり取りや資料レビューなど、英語を使う機会があります。
比較的英語を話せる人が少ない現状は、将来の競争力低下につながるリスクと考え、私の部署で英語学習を始めることにしました。
ただし、日常業務が非常に忙しい部署であるため、学習に時間を割くことは簡単ではありません。本来ならマネジメントの観点から業務を優先したいところですが、短期的な成果よりも将来の人材投資を優先し、私の判断で週1回の英語学習時間を設けました。
具体例と効果
導入したのは「週に1時間の英語学習」。目的は海外との業務に備えた社員の英語力向上でした。
結果として、当初の目的どおりの効果だけでなく、想定外の良い効果も見られました。
目的どおりの効果
- 部下の英語能力を把握する機会になった(本番業務で英語ができない、、は不味いため)
- 個々人が自発的に業務外でも学習の時間を設けるようになった(自己学習を促す)
- 英語に対する苦手意識や「下手な英語を話すことの恥ずかしさ」が軽減された
想定外の効果
- 学習方法に遊びの要素を取り入れたことで、社員がリラックスできた
- 上司と部下の距離が自然に縮まり、会話が増えた
- 「できないことを一緒に学ぶ」という経験が、立場をフラットにした
重要なポイントは、業務時間では有るものの英語学習を日々の業務の中に取り入れ、かつ遊びの要素を入れ込んだという点です。
遊びの要素を入れたと聞くと仕事中に遊ぶとは何ぞや?と思うかもしれませんが、実態は楽しく英語を学習しているのであって遊んでいる訳ではありません。
結果、この時間は単なる“スキルアップ”ではなく、“息抜き”と“コミュニケーションの場”にもなったのです。
管理職が見落としがちなポイント
多くの管理職が気づいていない困りごとは、部下との関係が「業務の指示・報告」に偏ってしまい、信頼や安心感を築く機会が不足しているという点です。
日常業務によるプレッシャーは、英語学習の場で得られるリラックス効果と、上司と部下の距離が縮まる体験によって軽減され、職場における心理的安全性が向上しました。
結論
英語学習を「スキル習得のための場」としてだけでなく、「心理的安全性を向上させる場」として活用することで、部下は安心して働けるようになり、「この職場で長く働き続けたい」と思う気持ちに繋がります。
これは部下の成長を促すだけでなく、チーム全体が働きやすく成果を出せる職場づくりにつながるのです。