「マネージャーが大変そう」
「優秀な人ほど管理業務で疲弊している」
そんな職場の光景に、心当たりがある人は多いのではないでしょうか。
今回読んだ
『マネージャーにすべてを背負わせるのはやめよう。最軽量のマネジメント』
は、これまで当たり前だと思っていた**“マネジメントの常識”を根本から問い直す一冊**でした。
書籍情報
- 書名:マネージャーにすべてを背負わせるのはやめよう。最軽量のマネジメント
- 読むのに必要な時間:3〜4時間
- ページ数:267ページ
- 初版発行:2019年11月11日
- 出版社:
発行:サイボウズ株式会社
発売:株式会社ライツ社 - 著者:山田 理
実体験ベースで書かれているため読みやすく、考えながらじっくり読める一冊です。
著者とサイボウズという会社
著者の山田理さんは、
サイボウズ株式会社の取締役副社長。
サイボウズと聞くと、
- kintone(キントーン)
- サイボウズ Office
- Garoon(ガルーン)
といったグループウェアを思い浮かべる方も多いと思います。
CMで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
そんな「働き方改革」の先進企業として知られるサイボウズですが、
実は最初から今の姿だったわけではありません。
かつてのサイボウズは「UP or OUT」だった
サイボウズは創業期から成長期にかけて、
UP or OUT
業績を伸ばせる人は残り、できない人は去る
という、非常に成果主義的な考え方で会社を大きくしてきました。
業績が右肩上がりのときは、この考え方でも問題は起きません。
しかし、成長が鈍化した瞬間に、その歪みが一気に表面化します。
- 社内の空気が悪くなる
- 人が育たない
- 離職率が急上昇する
結果として、**離職率は28%**という非常に高い水準に。
このままでは会社が持たない。
そう考えたサイボウズが選んだのが、働き方そのものを変えるという選択でした。
「マネージャーを廃止する」という衝撃的な発想
サイボウズがたどり着いた結論のひとつが、
マネージャーを廃止しよう
という、かなり大胆な考え方です。
前提にあるのは、
- 人は100人いれば100通りの働き方がある
- それを一人のマネージャーが背負うのは無理
という、ごくシンプルな現実。
そこでサイボウズでは、
社員一人ひとりが自分で働き方を宣言し、定義する
という仕組みを導入します。
働く時間、場所、役割。
それを「会社が決める」のではなく、「自分で決める」。
この発想は、かなり挑戦的です。
正直、どの会社でも真似できるわけではない
本を読みながら感じたのは、
このやり方を、そのまま自分の会社でやるのは難しい
という現実でした。
特に、
- 大企業
→ 組織構造や評価制度が固まりすぎていて、ほぼ不可能 - 中小企業
→ 実現できる可能性はあるが、トップ(社長)の強い決断が必要
だと感じます。
また、
**「マネージャーを廃止する」**という考え方は、
役職そのものが既得権益になっている人にとっては、
非常に受け入れがたいものです。
能力ではなく「肩書き」で評価されてきた人ほど、
強い抵抗を示すでしょう。
それでも、学ぶべき考え方は確実にある
一方で、この本には
今すぐでも取り入れられる考え方がたくさんあります。
その中でも、特に共感したのが、
情報を、もっとオープンにしよう
という考え方です。
情報をオープンにすると、マネージャーはいらなくなる?
多くの会社では、
- 分からないことがある
→ 直属の上司に聞く
という流れが当たり前です。
しかし、情報を全社にオープンにするとどうなるか。
- 「○○が分からなくて困っています」と全体に投げる
- 実は別部署に、その業務を昔やっていた人がいる
- マネージャーより詳しい人が直接教えてくれる
ということが起こります。
結果として、
- 回答してくれる人の選択肢が増える
- 解決までの距離が短くなる
- マネージャーが全部を抱え込まなくてよくなる
これは、非常に合理的だと感じました。
情報の検索性と格差をなくすことの価値
この考え方は、特に若い世代に強く刺さると思います。
実際、多くの会社では、
- 調べ方が分からない
- マニュアルが存在しない
- 誰に聞いて良いか分からない
という状況が起きがちです。
しかし実際には、
昔その業務をやったことがある人が、どこかに必ずいる
ただし、その人に辿り着くまでに、
無駄な時間が大量にかかっている。
私自身の会社でも、まさに同じような実態があります。
だからこそ、
情報共有の重要性をこの本を通じて、強く再認識しました。
読後の感想まとめ
- マネジメントの「当たり前」を疑うきっかけになる
- すべてを真似するのは難しいが、学べる点は多い
- 情報共有・オープン化の考え方は今すぐ活かせる
- マネージャーもメンバーも、楽になる組織のヒントが詰まっている
マネージャーに疲れている人、
マネージャーを見て「大変そうだな」と感じている人、
そして組織のあり方に疑問を持っている人に、
ぜひ読んでほしい一冊です。
**「最軽量のマネジメント」**という言葉の意味を、
きっと自分なりに考えたくなるはずです。
